古着の品質表示にある「RN」と数字の組み合わせ。型番のようにも見えますが、これは企業を識別するための番号です。登録先を調べると、ブランド名だけでは見えてこない、製造や流通に関わった会社へたどり着く手がかりになります。ブルックスブラザーズの服を支えた作り手を調べる際にも、注目したい表示です。
RNは、企業を識別する番号
米国連邦取引委員会(FTC)の説明によると、RNは繊維・羊毛・毛皮に関する対象製品を製造、輸入、流通、販売する米国の事業者に発行される番号です。縫製工場だけに割り当てられる番号ではありません。出典:FTC「Registered Identification Number FAQ」
この仕組みを踏まえると、登録企業が分かっても、それだけで実際に縫った工場まで特定できるとはいえません。販売する会社と作る会社が異なる場合もあるためです。
別のメーカーとのつながりを知る入り口にも
RNを調べたとき、服のブランドとは異なる会社の名前が出てくることがあります。FTCの説明でも、仕入れた完成品に、供給元であるメーカーや輸入・流通業者のRNがそのまま残る場合があるとされています。出典:FTC「Registered Identification Number FAQ」
登録先がシャツメーカーであれば、その会社が製造を担った可能性を調べる入り口になります。さらに、当時の商品資料や製造元の説明を照合することで、ブランドとは別のメーカーがその製品を作っていたと確認できる場合もあります。RNは、タグの向こうにいる作り手へ目を向けるきっかけにもなるのです。
ただし、別会社の登録番号があるだけでは、その会社が縫製したとは限りません。輸入や販売を担った会社の可能性もあるため、登録名義と製造を裏付ける資料を合わせて読みます。
ブルックス製品を別メーカーが縫製した具体例
ブルックスブラザーズには、実際に別のシャツメーカーが縫製を担った製品があります。2022年に発売された「Brooks Brothers for Ron Herman」の別注ポロカラーシャツについて、ロンハーマンは、米国のINDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズド シャツ)社で生産したと明記しています。出典:Ron Herman・2022年2月17日の発売案内
この例はRNから特定したものではなく、販売元の公式説明で製造関係を確認できるケースです。ブランド名と縫製を担うメーカー名が異なることを示すとともに、製造元を語るときに、どのような資料が裏付けになるかも教えてくれます。
手元の古着についても、RNの登録先を調べ、製品の品番や年代に対応する資料へ進むことで、同じように作り手との関係が見えてくる可能性があります。
生産国や製造年の代わりにはならない
RNが米国の企業に発行されることと、その服が米国製であることは別です。生産国を知りたいときは、まず服の原産国表示を確認します。
製造年についても、RNだけを年代の証拠にするのは避けたいところ。同じ企業の番号が付いた服でも、作られた時期や商品の仕様が同じとは限りません。年代を調べるなら、品番やタグ全体、当時のカタログなどを組み合わせる必要があります。
古着の商品説明では、情報を分けて読む
たとえば「RNが同じだから、同じ工場の同じ品質」という説明を見かけたら、工場や仕様を裏付ける資料があるかも確認してみましょう。番号が示す情報と、そこから推測された情報を分けることが大切です。
購入前には、RNだけを拡大した写真より、素材、生産国、サイズ、取り扱い表示まで見える写真が役立ちます。番号の意味を知る目的は、一着の価値を数字だけで決めることではなく、タグから読み取れる情報を正確に増やすことにあります。
