同じ白いシャツでも、襟先にボタンがある一枚、襟先が前へ向く一枚、左右に広く開いた襟の一枚では、顔まわりの印象が変わります。中古のブルックスを探すときは、サイズや生地に加えて、どんな場面で着るかを考えながら襟を見ると、候補を絞りやすくなります。

休日にネクタイをせず着たいのか、仕事でジャケットに合わせたいのか、改まった場のために選ぶのか。今回は歴史ではなく、使い方からボタンダウン、レギュラー、スプレッドという三つの襟型を見ていきます。ブルックスで見かけるエインズリーも、スプレッド系の中で紹介します。

ボタンダウンは、襟のカーブを楽しむ

襟先を小さなボタンで留めるのがボタンダウンです。ブルックスブラザーズでは「ポロカラーシャツ」と呼んでいます。名前の由来は別の記事で紹介しています。Brooks Brothers日本公式・ポロカラーシャツ

魅力の一つは、ボタンを留めた襟が描くカーブ、いわゆるロールです。首元に柔らかな表情が生まれ、ネクタイをしない装いにも取り入れやすい襟です。日本公式の着こなし紹介でも、襟のロールとノータイでの使いやすさが取り上げられています。Brooks Brothers日本公式・着こなし紹介

休日にオックスフォードのポロカラーを一枚で着る。少しきちんと見せたい日はブレザーを羽織る。そうした着方を考えているなら、まず候補にしたい組み合わせです。

ボタンダウンにもネクタイは合わせられます。ブレザーとタイでアメリカントラッドらしい装いを楽しむのも一つの選び方です。ただ、タイを締めればどの場にも向く、というわけではありません。改まった場のために選ぶなら、レギュラーやスプレッドなど、襟先にボタンのない襟をまず検討するとよいでしょう。

同じボタンダウンでも、襟の長さは一種類ではない

ブルックスのボタンダウンを、すべて同じ長さの襟だと思って選ぶと、手元に届いたときに印象が違うことがあります。1995年の米国版カタログでは、オリジナルのボタンダウンが3 3/8インチ(約8.6cm)、短いタイプが3インチ(約7.6cm)と紹介されています。短めの襟は近年のラインだけの特徴ではなく、当時から長さの異なる選択肢があったことが分かります。

長めの襟は襟羽根の存在感があり、短めの襟はコンパクトな印象になります。ただし、ロールの出方は長さだけでは決まりません。襟先を留めるボタンの位置、生地や芯地との組み合わせでも変わります。短い襟だからネクタイを合わせられない、ということでもありません。

この二つの寸法は、1995年の米国版カタログに記載された仕様です。ブルックスの全時代・全商品の襟を、この二種類だけに分類するものではありません。中古では、実際の襟の長さと、ボタンを留めた姿を見比べたいところです。

レギュラーカラーは、襟先が前へ向く基本の形

レギュラーカラーは、襟先をボタンで留めず、スプレッドカラーよりも左右の開きが控えめな襟です。襟先が前へ向かう形で、ネクタイを合わせた首元を落ち着いた印象にまとめやすい候補です。

ブルックスの米国公式にも、Forward Point Collarと表記されるメンズのドレスシャツがあります。日本でいうレギュラーカラーを探すときには、このポイント系の呼称も手がかりになります。ただし、呼び名だけで全商品の長さや開きが同じだとは考えず、実際の形を見て選びます。Brooks Brothers米国公式・Forward Pointの商品例

大きく開く襟より、すっきりと前へ向く襟が好みなら、レギュラーカラーを検討してみてください。白ブロードなら、スーツとタイを合わせる仕事着や改まった装いの候補になります。フォーマルに必要な仕様は、後述するように、その場のドレスコードも確認します。

ノータイで着るときは、第一ボタンを開けた襟がどう収まるかも見たいところです。襟型の名前だけでなく、襟羽根の長さや生地との組み合わせが、着たときの印象を作ります。

スプレッドカラーは、首元をすっきり見せる

スプレッドカラーは、襟先の左右の開きが広い襟です。襟先を留めるボタンがなく、ネクタイの結び目を見せる首元を作りやすい形です。

ブルックスにもEnglish Spread Collarと表記されるドレスシャツがあります。ただし中古では、名前だけから開きの角度や襟の長さを一律に決めず、その一枚の写真を見て選びます。Brooks Brothers米国公式・English Spreadの商品例

スーツにネクタイを合わせ、端正な印象にまとめたいなら、スプレッドカラーはよい候補です。結び目は必ず大きくしなければいけない、ということではありません。開いた襟の間に、いつものネクタイがどう収まるかを考えてみてください。

スプレッドカラーもノータイで着られます。第一ボタンを開けて着るつもりなら、襟が左右へ開いたときの収まりを見て選びます。いつも合わせるジャケットや、シャツ一枚で着たときの首元を思い浮かべてみてください。

エインズリーは、ほどよい開きのセミワイドカラー

ブルックスのシャツで見かける「エインズリーカラー(Ainsley Collar)」も、襟先にボタンのない襟です。日本公式の商品説明ではセミワイドカラーと紹介され、仕様欄にエインズリーカラーと記載されている例があります。米国公式も、Ainsleyを伝統的なスプレッドカラーとして紹介しています。Brooks Brothers日本公式・エインズリーの商品例、Brooks Brothers米国公式・Ainsleyの商品例

位置づけをつかむには、レギュラーカラーとワイドカラーの中間にあたる、ほどよい開きの襟と考えると分かりやすいでしょう。これはセミワイドという説明を選び方へ置き換えた目安で、両者の角度を厳密に二等分したもの、という意味ではありません。

English SpreadとAinsleyは、ブルックスの商品名でも呼び分けられています。スプレッド系という大きな括りの中でも、同じ形として扱わず、その一枚の開きを見ます。日本公式の上記エインズリーには襟の長さ7.0cmの記載がありますが、これは襟羽根の長さであり、左右の開きの角度とは別の寸法です。

スーツに合わせる襟先のボタンのないシャツを探していて、大きく開いた襟にはまだ馴染みがない。そんな方には、エインズリーも候補になります。普段締めるネクタイと、好みの首元の印象を思い浮かべながら選んでみてください。

生地と色を合わせて、用途を考える

襟型だけで印象は決まりません。織りの表情があるOxfordのボタンダウンと、白無地のBroadclothのスプレッドカラーでは、生地と襟の両方が装いに影響します。

気軽な休日着を探すなら、Oxfordのボタンダウンは合わせやすい候補です。反対に、白無地のブロードはカジュアルにはやや取り入れにくい一方、改まった装いに向いています。白ブロードのレギュラー(ポイント系)やスプレッドカラーは、スーツとタイで整えたいときの候補になります。

フォーマルな場のために一枚を選ぶなら、ボタンダウンより、襟先にボタンのない白ブロードをまず検討するとよいでしょう。ただしタキシードなど、シャツの前身頃やカフスにも指定がある装いでは、白ブロードであれば足りるというわけではありません。その場のドレスコードに合う仕様を選びます。

普段の仕事着は、職場の服装に合わせて考えます。ブレザーとボタンダウンが自然な職場もあれば、スーツにスプレッドカラーが合わせやすい職場もあります。実際に着る場面を思い浮かべると、選ぶ理由がはっきりします。

中古では、襟を留めた姿と開いた姿を見る

ボタンダウンは、襟先のボタンを留めた写真でカーブを見ます。レギュラーとスプレッドカラーは、襟先が向く方向、左右の開き、折り返しの収まりを確認します。ノータイで着るつもりなら、第一ボタンを開けた状態も参考になります。

同じ襟型でも、襟の長さや芯地、生地、洗濯や着用を経た状態で見え方は変わります。新品のモデル写真と同じロールや立ち方を、中古の一枚にもそのまま期待するより、商品写真に写る今の表情を見て選びます。

折り返し部分の擦れや汚れ、襟先の傷みも確認したいところです。ボタンダウンなら、襟先のボタンとボタンホールも見ます。カラーステイを差し込む仕様なら、その有無が気になる場合は商品説明を確認してください。

そして、第一ボタンを留めて着るなら首回りのサイズも大切です。好みの襟型を見つけた後は、サイズ表記と実寸を合わせて確かめます。

襟の名前を覚えることより、自分が着たい場面に合う一枚を選ぶこと。ブルックスのシャツは、その視点で見比べると、それぞれの襟の違いが暮らしに近いものになります。

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